女性に多い肩こり

あまり話題になりませんが、肩こりで困っている日本の女性はたいへん多くいらっしゃいます。厚生労働省は国民生活基礎調査を毎年実施していますが、日常的に感じている自覚症状を3年ごとに調査しています。それによると、過去9年間に渡り、女性が訴える自覚症状で一番多いのが「肩こり」なのです。因みに2番目に多いのは「腰痛」です。

肩こりに関して言えば、平成19年は1000人中131人が、平成22年は1000人中130人が、平成25年は1000人中125人の方が肩こりを訴えています。その数はほぼ横ばいで推移しているのを見ると、これだけ医療分野が発達しているのにも関わらず、肩こりを改善する方法は見つかっていないと考えられます。

男性の場合、一番不調を訴えられるのは「腰痛」です。そして2番目が「肩こり」なのですが、肩こりを訴える人数は女性の半分にも満たないというのも特徴的です。

皆さんは、子供の頃に肩を揉んでと頼まれたのは、おじいちゃんでしたか?それとも、おばあちゃんでしたか?圧倒的におばあちゃんやお母さんの肩を揉んだいたのではないでしょうか?テレビやアニメ、たとえばサザエさんなどでも波平さんとフネさんでは、カツオやワカメにフネさんの方が多く肩を揉まれていた印象がありませんでしょうか?職場や、お近くにいらっしゃる方を思い起こしてみてください。きっと、女性の方がお困りの方が多いかと思います。

なぜ、女性は肩こりが多いのでしょうか?…それは、女性の首は男性に比べて細く、筋肉が少ないためと考えられています。

頭は体重の10%もあるので、成人女性ではだいたい5㎏~6㎏位の重さの頭を、首と肩とで支えています。因みに5~6㎏といえば、ボーリングのボールや、スイカと例える方がいますが、もし主婦の方でしたらお米5㎏と言った方がイメージしやすいかもしれません。

スーパーでお米を買って、自宅まで歩いて持ち帰るのは並大抵ではありません。腕が痛くてちぎれそうになるかもしれませんし、足もパンパンになるでしょう。それだけの重さを常時細い首や肩が支えているのですから、本当にお疲れ様と言いたくなります。

首や肩にいつもありがとう、という気持ちになれば、日常的に首や肩を意識して大切にしようという気持ちになるかと思います。首や肩は、自分の目から見えずらい場所です。よほど痛くなければ、存在すら忘れがちになってしまいます。何も言わないで頑張ってくれている場所だからこそ、意識して大切にしてあげなければいけないのかもしれません。

まずは意識することで、いろいろな事に対する考え方が変わってきます。例えば、姿勢をよくすることもそうです。姿勢は意識しなければどんどん崩れてきます。なぜかって?それは、重力があるからです。下に押し下げようとする力(重力)に対し、身体を支えようとする抗重力筋があるのですが、長時間の悪姿勢や老化による筋肉の低下などで少しずつ衰えてきます。そのため、放っておけばどんどん姿勢は悪くなっていくのです。

まずは自分の首や肩の状態をしっかりと認識すること、その上でセルフケアすることが大切になってきます。このブログでは、自分で自分の健康を守る事をテーマに、できるだけ薬に頼らずに、自分の力でセルフケアするためのヒントをご紹介していければと思っています。

日本の女性の肩こりが少しでもよくなれば、家庭の中や職場、そして社会全体がもっと明るくなるかもしれないですね!